37. 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける / 文屋朝康
(読み)
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける / ふんやのあさやす
(訳)
風の吹く秋の野に、白く光る朝露。まるで糸を留めていない真珠が散り乱れているようだ。
(解説)
・「草の上の露」を「玉・真珠」に例えることはよくあったが「風に散る露=玉」を読んでいるところが新鮮。
・露(つゆ)は涙の例えとしても使われるため、「散る」という表現から恋が終わったことを表すのかも。
・『後撰集』の詞書(ことばがき)より。延喜の時代、60代醍醐天皇から求められて作った歌。
(出典)
02『後撰和歌集』
(作者)
文屋朝康(ふんやのあさやす)。(9C後~10C初)
・父は文屋康秀(22「吹くからに」)。多くの歌合わせに参加した。
(品詞)
・白露
名詞
・に
助詞・格助詞
・風
名詞
・の
助詞・格助詞
・吹きしく
動詞「吹きしく」カ四(連体)
(か/き/く/く/け/け)
・秋
名詞
・の
助詞・格助詞
・野
名詞
・は
助詞・係助詞
・つらぬきとめ
動詞「つらぬきとむ」マ下二(未然)
(め/め/む/むる/むれ/めよ)
・ぬ
助動詞「ず」打消(連体)
(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)
・玉
名詞
・ぞ
助詞・係助詞
・散り
動詞「散る」ラ四(連用)
(ら/り/る/る/れ/れ)
・ける
助動詞「けり」詠嘆(連体)
(けら/〇/けり/ける/けれ/〇)
(活用語)
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
[動詞]
・吹きしく
・つらぬきとむ
・散る
[助動詞]
・ぬ・・「ず」打消
・ける・・「けり」詠嘆
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