85. 夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり / 俊恵法師
(読み)
よもすがら ものおもうころは あけやらで ねやのひまさえ つれなかりけり(しゅんえほうし)
(訳)
一晩中思い悩んでいるこの頃は、夜もなかなか明けきらないで、寝室の板戸の隙間までもが冷淡に思えるのですよ。
(語句)
・夜もすがら・・一晩中
・明けやる・・すっかりし終える
「明く」+補助動詞「~やる」
(解説)
・女性になりきって詠っている。
(作者)俊恵法師(しゅんえほうし)。
歌人で文学者。東大寺の僧になった。『方丈記』鴨長明の和歌の師。
源俊頼(としより)(74「うかりける」)の息子。自宅にて歌林苑(かりんえん)という和歌のサロンなどを開く。藤原清輔(84)、殷富門院大輔(90)、二条院讃岐(92)などが参加。
(品詞)
・夜もすがら
副詞
・もの思ふ
動詞「もの思ふ」ハ四(連体)
(は/ひ/ふ/ふ/へ/へ)
・ころ
名詞
・は
助詞・係助詞
・明けやら
動詞「明けやる」ラ四(未然)
(ら/り/る/る/れ/れ)
・で
助詞・接続助詞
・ねや
名詞
・の
助詞・格助詞
・ひま
名詞
・さへ
助詞・副助詞
・つれなかり
形容詞「つれなし」ク活用(連用)
– 本活用(〇/く/し/き/けれ/〇)
– 補助活用(助動詞)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)
・けり
助動詞「けり」詠嘆(終止)
連用形接続・ラ変型
(けら/〇/けり/ける/けれ/〇)
(活用語)
夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかり けり
[動詞]
・もの思ふ
・明けやる
[形容詞]
・つれなし
[助動詞]
・けり・・「けり」
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