
(京都・天橋立)
60. 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 / 小式部内侍
(読み)
おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて(こしきぶのないし)
(訳)
大江山を超えて生野を通る道は遠いので、丹後国の天橋立に行ったこともありませんし、母からの手紙も見ていません。
(語句)
・遠ければ・・遠いので
「遠し」の已然形「けれ」+接続助詞「ば」→確定条件
(掛詞)
いく
・生野(いくの)・・京都府福知山市の地名
・行く
・幾(いく)・・多くの
ふみ
・踏み(歩いていく)
・文
(解説)
・天橋立は日本三景の一つ。(松島・厳島・天橋立)
・大江山・・山城国と丹後国の間にまたがる山
・藤原定頼(64「朝ぼらけ」が、小式部内侍をからかったことに対してピシャリと答えた歌。
(句切れ)
四句切れ
(縁語)
「踏み」は「橋」の縁語
(作者)
小式部内侍(こしきぶのないし)(1000~1025)
母は和泉式部56「あらざらん」。父は橘道貞。母とともに中宮彰子に仕えるが、25才で若くして病気で亡くなる。
(品詞)
・大江山
固有名詞
・いく野
(掛詞)
(1)行く・・動詞「行く」カ四
(か/き/く/く/け/け)
(2)生野・・固有名詞
(3)幾(いく)
・の
助詞・格助詞
・道
名詞
・の
助詞・格助詞
・遠けれ
形容詞「遠し」ク活用(已然)
(〇/く/し/き/けれ/〇)
・ば
助詞・接続助詞
・まだ
副詞
・ふみ
(掛詞)
(1)文・・名詞
(2)踏み・・動詞「踏む」マ四(連用)
(ま/み/む/む/め/め)
・も
助詞・係助詞
・見
動詞「見る」マ上一(未然)
(み/み/みる/みる/みれ/みよ)
・ず
助動詞「ず」打消(終止)
未然形接続・特殊型
– 本活用(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
– 補助活用(助動詞)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)
・天の橋立
固有名詞
(活用語)
大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見 ず 天の橋立
[動詞]
・行く
・見る
[形容詞]
・遠し
[助動詞]
・ず・・「ず」打消



