月 – ページ 2 – 百人一首note

81. ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただありあけの 月ぞ残れる / 後徳大寺左大臣

81. ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただありあけの 月ぞ残れる / 後徳大寺左大臣

(読み)
ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる(ごとくだいじのさだいじん)

(訳)
ホトトギスの鳴いた方を見渡したところ、ただ有明の月が残っているばかりである。

(解説)
・ほととぎすは夏を彩る代表。貴族たちは夏を告げるほととぎすの第一声「初声(はつね)」を待ち望んで夜を明かした。

・万葉集ではホトトギスは橘の花と一緒に詠まれることが多かったが、平安時代は鳴き声を詠まれるようになった。


(作者)
後徳大寺左大臣(ごとくだいじのさだいじん)。藤原(徳大寺)実定(さねさだ)。

右大臣・公能(きんよし)の息子。藤原定家(97)のいとこ。

和歌や音楽の才能があり、俊恵(85)の歌林苑歌人たちとも交流があった。『平家物語』にも登場する。


(品詞)
ほととぎす
名詞

鳴き
動詞「鳴く」カ四(連用)
(か//く/く/け/け)

つる
助動詞「つ」完了(連体)
連用形接続・下二段型
(て/て/つ/つる/つれ/てよ)


名詞


助詞・格助詞

ながむれ
動詞「ながむ」マ下二(已然)
(め/め/む/むる/むれ/めよ)


助詞・接続助詞
(順接・確定条件)

ただ
副詞

ありあけ
名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・係助詞

残れ
動詞「残る」ラ四(已然)
(ら/り/る/る//れ)


助動詞「り」存続(連体)
サ変・・未然形接続
〇四段・・已然形接続
(ら/り/り//れ/れ)

 

(活用語)
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただありあけの 月ぞ残れ

[動詞]
・鳴く
・ながむ
・残る

[助動詞]
つる・・「つ」完了
・・「り」存続

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86. 嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな / 西行法師

86. 嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな / 西行法師

(読み)
なげけとて つきやはものを おもわする かこちがおなる わがなみだかな(さいぎょうほうし)

(訳)
嘆けといって、月は物思いをさせるのだろうか。いや、そうではないのに、月にかこつけて恨めしそうに落ちてくる私の涙よ。

(解説)
・「月前恋(げつぜんのこい)」というお題で詠まれた。恋の切なさ。


(作者)
西行法師(さいぎょうほうし)。佐藤義清(さとうのりきよ)。

鳥羽院を警護する北面の武士だったが23才で妻子と別れて出家。生涯旅をして過ごした。

各地を旅して『山家集(さんかしゅう)』(1570首)『西行上人集』などの歌集を残す。『新古今和歌集』には94首もの西行の和歌が選ばれている。

83「よのなかよ」の藤原俊成とも親しく、俊成の歌は西行の出家も影響しているといわれる。

「願わくは花のもとにて春死なん その如月の望月のころ」(ねがわくは はなのもとにて はるしなん そのきさらぎの もちづきのころ)という自分の和歌のとおり2月(如月)16日(望月=満月)に亡くなった。

釈迦の入滅が2月15日で同じ頃にと望んだ。現在でいうと3月後半ごろなのでまさに花(桜)の時期。


(品詞)
嘆け
動詞「嘆く」カ四(命令)
(か/き/く/く/け/

とて
助詞・接続助詞


名詞

やは
助詞・係助詞

もの
名詞


助詞・格助詞

思は
動詞「思ふ」ハ四(未然)
/ひ/ふ/ふ/へ/へ)

する
助動詞「す」使役(連体)
未然形接続・下二段型
(せ/せ/す/する/すれ/せよ)

かこち顔なる
形容動詞「かこち顔なり」ナリ活用(連体)
(なら/なり or に/なり/なる/なれ/なれ)


代名詞


助詞・格助詞


名詞

かな
助詞・終助詞

 

(活用語)
嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな

[動詞]
・嘆く
・思ふ

[形容動詞]
・かこち顔なり

[助動詞]
する・・「す」使役

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