67. 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ / 周防内侍
(読み)
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かいなくたたん なこそおしけれ(すおうのないし)
(訳)
春の夜の夢のように短く儚い間でも、いたずらな気持ちで腕枕を借りたら、つまらない噂が立つでしょう。それはくやしいではないですか。
(語句)
・かひなくたたむ・・つまらなく立つであろう
・名こそ惜しけれ・・うわさが立つのが悔しい
(掛詞)
・「かひなく」と「腕(かひな)」
(解説)
・周防内侍が「枕がほしい」とつぶやくと、藤原忠家が「どうぞ」と手を差し出した。この冗談に優雅に返した歌。
(作者)
周防内侍(すおうのないし)。平仲子(たいらのちゅうし)。70後冷泉天皇、72白河天皇、73堀河天皇に内侍として仕えた。
(品詞)
・春
名詞
・の
助詞・格助詞
・夜
名詞
・の
助詞・格助詞
・夢
名詞
・ばかり
助詞・副助詞
・なる
助動詞「なり」断定(連体)
連体形接続・形容動詞型
(なら/なり or に/なり/なる/なれ/なれ)
・手枕
名詞
・に
助詞・格助詞
・かひなく
(掛詞)
ー かひな(腕)(名詞)
ー かひなし(形容詞)ク活用(連用)
本活用(〇/く/し/き/けれ/〇)
補助活用(助動詞)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)
・立た
動詞「立つ」タ四
(た/ち/つ/つ/て/て)
・む
助動詞「む」仮定・婉曲(連体)
未然形接続・四段型
「〇/〇/む/む/め/〇」
・名
名詞
・こそ
助詞・係助詞
・惜しけれ
形容詞「惜し」シク活用(已然)
本活用(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
補助活用(助動詞)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)
(活用語)
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく 立たむ 名こそ惜しけれ
[動詞]
・立つ
[形容詞]
・かひなし
・惜し
[助動詞]
・なる・・「なり」(断定)
・む・・「む」(仮定・婉曲)
ーーーーーーーーーーーーー
