(月下美人)
50. 君がため をしからざりし 命さえ ながくもがなと 思ひけるかな / 藤原義孝
(読み)
きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな / ふじわらのよしたか
(訳)
あなたに逢うためならと惜しくなかったこの命。逢ってしまった今では長くあってほしいと願うようになったのです。
(解説)
・「君がため」・・あなたに逢うためなら
・「長くもがな」・・長くあってほしい「もがな」は願望
・後朝(きぬぎぬ)の歌。
(出典)
04『後拾遺和歌集』
(作者)藤原義孝(ふじわらのよしたか)。
・謙徳公(藤原伊尹・これただ)(45「あはれとも」)の三男。藤原行成(三蹟の一人)の父。
・まじめで仏教にも熱心。美しい容姿だったと言われる。21才で天然痘で亡くなる。
(品詞)
・君
名詞
・が
助詞・格助詞
・ため
名詞
・をしから
形容詞「をし」シク活用(未然)
(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)
・ざり
助動詞「ず」打消(連用)
(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)
・し
助動詞「き」直接過去(連体)
連用形接続・特殊型
(せ/〇/き/し/しか/〇)
・命
名詞
・さえ
助詞・副助詞
・ながく
形容詞「ながし」ク活用(連用)
(〇/く/し/き/けれ/〇)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)
・もがな
助詞・終助詞
・と
助詞・格助詞
・思ひ
動詞「思ふ」ハ四(連用)
(は/ひ/ふ/ふ/へ/へ)
・ける
助動詞「けり」詠嘆(連体)
連用形接続・ラ変型
(けら/〇/けり/ける/けれ/〇)
・かな
助詞・終助詞
(活用語)
君がため をしから ざり し 命さえ ながくもがなと 思ひ けるかな
[動詞]
・思ふ
[形容詞]
・をし
・ながし
[助動詞]
・ざり・・「ず」打消
・し・・「き」直接過去
・ける・・「けり」詠嘆
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