出典 – ページ 30 – 百人一首note

71. 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞふく / 大納言経信

71. 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞふく / 大納言経信

(読み)
ゆうされば かどたのいなば おとずれて あしのまろやに あきかぜぞふく(だいなごんつねのぶ)

(訳)
夕方になると、門の前に広がる田んぼの稲穂がさわさわと音を立てます。葦ぶきの小屋に秋風が吹いて気持ちのいいことですよ。

(語句)
・夕されば・・夕方になれば
・おとづれて・・音をたてて。(※「人を訪ねる」ではない)

(解説)
・作者の感情を入れず、自然をありのままに詠んだ歌を「叙景歌」という。

・「秋の夕暮れ」はもの悲しい歌が多いが(さびしさに(70)など)、この歌はそれらとは対照的に、秋の実りの豊かさや、秋風のさわやかさが表現されている。

・ゆれる稲穂(視覚)、その葉音(聴覚)、吹き込む風(触覚)など、五感のあらゆる感覚が織り込まれ、立体的な表現がなされている。

・梅津(京都市右京区)にある源師賢(もろかた)の別荘で詠まれた歌。

 

(出典)
05『金葉和歌集』

 


(作者)
大納言経信(だいなごんつねのぶ)。源経信。(1016ー1097)

・和歌・漢詩・管弦(特に琵琶)に優れ、藤原公任(55)とともに「三船の才(さんせんのさい)」と呼ばれた。

・息子は源俊頼(74)、孫は俊恵法師(85)。経信から3代に渡って百人一首に選ばれている。

・祖父は源重信(源雅信の弟 / 雅信は道長の正妻・倫子の父)。宇多源氏。

・伊勢大輔(61)が病気のとき、先輩歌人である源経信がお見舞いに来てくれたのを喜ぶ歌。

うれしさは 忘れやはする 忍ぶ草 しのぶるものを 秋の夕暮

 


(品詞)
・夕
名詞

・され
動詞「さる」ラ四(已然)
(ら/り/る/る/れ/れ)

・ば
助詞・接続助詞

・門田
名詞

・の
助詞・格助詞

・稲葉
名詞

・おとづれ
動詞「おとづる」ラ下二(連用)
(れ/れ/る/るる/るれ/れよ)

・て
助詞・接続助詞

・芦
名詞

・の
助詞・格助詞

・まろや
名詞

・に
助詞・格助詞

・秋風
名詞

・ぞ
助詞・係助詞

・ふく
動詞「ふく」カ四(連体)
(か/き/く/く/け/け)

 

(活用語)
夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞふく

[動詞]
・さる
・おとづる
・ふく

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