
43. 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり / 権中納言敦忠
(読み)
あいみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもわざりけり / ごんちゅうなごんあつただ
(訳)
あなたと一夜を過ごしたあとの恋しい心に比べれば、昔の悩みなど悩みのうちに入らなかったなあ。
(解説)
・後朝(きぬぎぬ)の歌
(出典)
03『拾遺和歌集』
(作者)権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)。(906~943)
・藤原敦忠。藤原時平の三男。
・歌の才能と美貌に恵まれた恋多き貴公子。右近(38「忘らるる」)が歌を送った相手。
・琵琶の名手で「琵琶中納言」とも呼ばれた。37才と若くして亡くなる。
(品詞)
・逢ひ見
動詞「逢ひ見る」マ上一(連用)
(み/み/みる/みる/みれ/みよ)
・て
助詞・接続助詞
・の
助詞・格助詞
・のち
名詞
・の
助詞・格助詞
・心
名詞
・に
助詞・格助詞
・くらぶれ
動詞「くらぶ」バ下二(已然)
(べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ)
・ば
助詞・接続助詞
・昔
名詞
・は
助詞・係助詞
・物
名詞
・を
助詞・格助詞
・思は
動詞「思ふ」ハ四(未然)
(は/ひ/ふ/ふ/へ/へ)
・ざり
助動詞「ず」打消(連用)
未然形接続・特殊型
(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)
・けり
助動詞「けり」詠嘆(終止)
連用形接続・ラ変型
(けら/〇/けり/ける/けれ/〇)
(活用語)
逢い見ての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思は ざり けり
[動詞]
・逢ひ見る
・くらぶ
・思ふ
[助動詞]
・ざり・・「ず」打消
・けり・・「けり」詠嘆
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