04後拾遺和歌集 – ページ 2 – 百人一首note

52. 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな / 藤原道信朝臣

52. 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな / 藤原道信朝臣

(読み)
あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな(ふじわらのみちのぶあそん)

(訳)
夜が明けてしまえば日が暮れてまたあなたに会える。それを分かっていながらもやはり夜明けは恨めしい。

(語句)
・明けぬれば・・(夜が)明けてしまえば

<助動詞「ぬ」(完了)已然形>+「ば」
確定条件。~ば

・知りながら・・知ってはいるものの
「ながら」は逆接。

・なほ・・そうはいってもやはり。(副詞)

・朝ぼらけ・・夜がほのぼの明けてくるころ

(詞書)
雪の降った日に恋人のもとから帰ってきて詠んだ歌『後拾遺集』

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)
藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)。(972~994)

・藤原為光の子。和歌に秀で、奥ゆかしい性格と伝わる。藤原公任らとも親しかった。

・藤原兼家の養子となるが、23才の若さで亡くなる。

[藤原家家系図]

26. 藤原忠平(貞信公)
|
藤原師輔
|—————-|—————-|
45. 伊尹    為光   兼家
|                    |     |
50. 義孝    ▶52. 道信 道長


(品詞)
明け
動詞「明く(あく)」カ下二(連用)
(け//く/くる/くれ/けよ)

ぬれ
助動詞「ぬ」完了(已然)
(な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)
連用形接続・ナ変型
「~してしまう」


助詞・接続助詞(逆接)

暮るる
動詞「暮る(くる)」ラ下二(連体)
(れ/れ/る/るる/るれ/れよ)

もの
名詞


助詞・格助詞


助詞・係助詞

知り
動詞「知る」ラ四(連用)
(ら//る/る/れ/れ)

ながら
助詞・接続助詞

なほ
副詞

うらめしき
形容詞「うらめし」シク活用(連体)
本活用(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
補助活用(助動詞)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

朝ぼらけ
名詞

かな
助詞・終助詞

ーーーーーーーーーーーーー

(活用語)
明け ぬ れば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな

[動詞]
・明く
・暮る
・知る

[形容詞]
・うらめし

[助動詞]
・ぬ(完了)

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51. かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを / 藤原実方朝臣

(伊吹山)

51. かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを / 藤原実方朝臣

(読み)
かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを(ふじわらのさねかたあそん)

(訳)
このように伝えることさえできないのですから、伊吹山のさしも草のようにそれほどのものとは知らないでしょうね。燃えるこの想いを。

(語句)
・かくと・・こんなに恋しく思っていること

・~だに(副助詞)・・~さえ

・えやはいふ・・言うことができようか。いやできない。
え~やは(反語)

・さしも草・・ヨモギ。お灸に使われた。

・さしも・・それほどのものと

・しらじな・・知らないでしょうね。

(掛詞)
・「言ふ」と「伊吹山」
・「火」と「思ひ」

(句切れ)
・四句切れ

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)
藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたあそん)(~998)

・貞信公(藤原忠平)(26「小倉山」)の曾孫(ひ孫)。66代一条天皇に仕えた。

・光源氏のモデルの1人と言われている平安後期の色好み。(平安前期は在原業平)

・清少納言と恋仲?

・藤原行成と口論になり冠を叩きつけたため、陸奥守に左遷され、その地で没したといわれる。
(後に西行が奥州への旅の途中で、実方のお墓参りに行っている)


(品詞)

かく
副詞


助詞・格助詞

だに
助詞・副助詞


副詞

やは
助詞・係助詞

いぶき
掛詞
(1)固有名詞「伊吹山」
(2)動詞「言ふ」ハ四(終)
(は/ひ//ふ/へ/へ)


助詞・格助詞

さしも草
名詞


副詞


助詞・副助詞


助詞・係助詞

知ら
動詞「知る」ラ四(未)
(/り/る/る/れ/れ)


助動詞「じ」(終止)打消推量
未然形接続・特殊型
(〇/〇//じ/じ/〇)
~ないだろう


助詞・終助詞

燃ゆる
動詞「燃ゆ」ヤ下二(体)
(え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ)

思ひ
名詞


助詞・格助詞

ーーーー

(活用語)
かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知ら じ燃ゆる思ひを

[動詞]
・言ふ
・知る
・燃ゆ

[助動詞]
・じ(打消推量)
~ないだろう

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50. 君がため をしからざりし 命さえ ながくもがなと 思ひけるかな / 藤原義孝

(月下美人)

50. 君がため をしからざりし 命さえ ながくもがなと 思ひけるかな / 藤原義孝

(読み)
きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな / ふじわらのよしたか

(訳)
あなたに逢うためならと惜しくなかったこの命。逢ってしまった今では長くあってほしいと願うようになったのです。

(解説)
・「君がため」・・あなたに逢うためなら

・「長くもがな」・・長くあってほしい「もがな」は願望

・後朝(きぬぎぬ)の歌。

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)藤原義孝(ふじわらのよしたか)。

・謙徳公(藤原伊尹・これただ)(45「あはれとも」)の三男。藤原行成(三蹟の一人)の父。

・まじめで仏教にも熱心。美しい容姿だったと言われる。21才で天然痘で亡くなる。


(品詞)

名詞


助詞・格助詞

ため
名詞

をしから
形容詞「をし」シク活用(未然)
(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

ざり
助動詞「ず」打消(連用)
(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)


助動詞「き」直接過去(連体)
連用形接続・特殊型
(せ/〇/き//しか/〇)


名詞

さえ
助詞・副助詞

ながく
形容詞「ながし」ク活用(連用)
(〇//し/き/けれ/〇)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)

もがな
助詞・終助詞


助詞・格助詞

思ひ
動詞「思ふ」ハ四(連用)
(は//ふ/ふ/へ/へ)

ける
助動詞「けり」詠嘆(連体)
連用形接続・ラ変型
(けら/〇/けり/ける/けれ/〇)

かな
助詞・終助詞

 

(活用語)
君がため をしから ざり し 命さえ ながくもがなと 思ひ けるかな

[動詞]
・思ふ

[形容詞]
・をし
・ながし

[助動詞]
・ざり・・「ず」打消
・し・・「き」直接過去
・ける・・「けり」詠嘆

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42. 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波超さじとは / 清原元輔

42. 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波超さじとは / 清原元輔

(読み)
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すえのまつやま なみこさじとは / きよはらのもとすけ

(訳)
約束しましたよね。涙にぬれた袖を絞りながら。末の松山を波が決して越さないように2人の愛も変わらないと。

(解説)
・末の松山・・陸奥国(宮城県)にある松の名所。多賀城市あたり。

・869年の「貞観(じょうがん)地震」の際も、波は末の松山を越えなかった。

・作者の清原元輔が代理で詠んだ。

・『古今集』の「君をおきて あだし心を わがもたば 末の松山 浪もこえなむ」を元にした。

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)清原元輔(きよはらのもとすけ)(908~990)。

・清少納言(62「夜を込めて」)の父。清原深養父( 36「夏の夜は」)の孫。

・『後撰集』をまとめた「梨壺の五人」のうちの一人。

三十六歌仙の一人。


(品詞)
契り
動詞「契る」ラ四(連用)
(ら//る/る/れ/れ)


助動詞「き」直接過去(終止)
(せ/〇//し/しか/〇)


助詞・終助詞

かたみに
副詞


名詞


助詞・格助詞

しぼり
動詞「しぼる」ラ四(連用)
(ら//る/る/れ/れ)

つつ
助詞・接続助詞

末の松山
固有名詞


名詞

超さ
動詞「超す」サ四(未然)
/し/す/す/せ/せ)


助動詞「じ」打消推量(終止)
未然形接続・無変化型
(〇/〇//じ/じ/〇)


助詞・係助詞


助詞・係助詞

 

(活用語)
契り きな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波超さ じとは
[動詞]
・契る
・しぼる
・超す

[助動詞]
・き・・「き」直接過去
・じ・・「じ」打消推量

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