恋 – ページ 4 – 百人一首note

40. 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで / 平兼盛

(ハナシノブ)

40. 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで / 平兼盛

(読み)
しのぶれど いろにいでにけり わがこいは ものやおもうと ひとのとうまで / たいらのかねもり

(訳)
人に知られないように隠してきたけれど、私の恋心は顔色に出てしまったようです。恋に悩んでいるでしょうかと人から尋ねられるほどに。

(解説)
・960年村上天皇の「天徳内裏歌合わせ」で「しのぶ恋」で詠まれた。壬生忠実(41恋すてふ)と対決し、こちらの「忍ぶれど」が勝った。

(出典)
03『拾遺和歌集』


(作者)
平兼盛(たいらのかねもり)。(平清盛とは関係ない)。(~990)

三十六歌仙の一人。光孝天皇(15きみがため)の曾孫の子。


(品詞)
忍ぶれ
動詞「しのぶ」バ上二(已然)
(び/び/ぶ/ぶる/ぶれ/びよ)


助詞・接続助詞


名詞


助詞・格助詞

出で
動詞「出づ」ダ下二(連用)
(で//づ/づる/づれ/でよ)


助動詞「ぬ」完了(連用)
連用形接続・ナ変型
(な//ぬ/ぬる/ぬれ/ね)

けり
助動詞「けり」詠嘆(終止)
(けら/〇/けり/ける/けれ/〇)
連用形接続・ラ変型


代名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・係助詞


名詞


助詞・係助詞

思ふ
動詞「思ふ」ハ四(連体)
(は/ひ/ふ//へ/へ)


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

問ふ
動詞「問ふ」ハ四(連体)
(は/ひ/ふ//へ/へ)

まで
助詞・副助詞

 

(活用語)
忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで

[動詞]
・しのぶ
・出づ
・思ふ
・問ふ

[助動詞]
・に・・「ぬ」完了
・けり・・「けり」詠嘆

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39. 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき / 参議等

39. 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき / 参議等

(読み)
あさじうの おののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこいしき / さんぎひとし

(訳)
低い茅(ちがや)(ススキ)が生える、小野の篠原のように忍んできたけれど、もう抑えきれません。どうしてこんなにあなたが恋しいのでしょう。

(解説)
・『古今集』の「浅茅生の小野の篠原忍ぶとも 人しるらめやいう人なしに(詠み人知らず)」を本歌にしている。

・あまりて・・抑えきれないで

(出典)
02『後撰和歌集』


(作者)
参議等(さんぎひとし)。源等(みなもとのひとし)。(880~951)

・52代嵯峨天皇の曾孫。

・02『後撰和歌集』に採録された「東路の佐野の舟橋かけてのみ 思ひわたるを知る人ぞなき」は、本阿弥光悦作『舟橋蒔絵硯箱』の蓋の意匠に取り入れられた。


(品詞)
浅茅生
名詞


助詞・格助詞


(接頭語)名詞


助詞・格助詞

篠原
名詞

忍ぶれ
動詞「しのぶる」バ上二(已然)
(び/び/ぶ/ぶる/ぶれ/びよ)


助詞・接続助詞

あまり
動詞「あまる」ラ四(連用)
(ら//る/る/れ/れ)


助詞・接続助詞

など
副詞


助詞・係助詞


名詞


助詞・格助詞

恋しき
形容詞「恋し」シク活用(連体)
(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

(活用語)
浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれあまりてなどか 人の恋しき

[動詞]
・しのぶ
・あまる

[形容詞]
・恋し

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38. 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな / 右近

38. 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな / 右近

(読み)
わすらるる みをばおもわず ちかいてし ひとのいのちの おしくもあるかな / うこん

(訳)
忘れられた私のことはいいのです。愛の誓いを破ったあなたの身が心配です。

(解説)
・藤原敦忠(ふじわらのあつただ)(43.「逢い見ての」)に贈った歌。←敦忠は左大臣・藤原時平(菅原道真を大宰府へ左遷した)の息子。敦忠は実際に若くして38才で亡くなった。

(出典)
03『拾遺和歌集』


(作者)
右近(うこん)。(10C前)

・右近衛少将・藤原孝縄(うこんのしょうしょう・ふじわらのすえなわ)の娘。

・恋多き女流歌人。藤原敦忠(43)や元良親王(20)などと恋をしたと言われる。

・60代醍醐天皇の皇后・穏子(おんし)に仕えた。『大和物語』にも恋愛模様が描かれている。


(品詞)
忘ら
動詞「忘る」ラ四(未然)
/り/る/る/れ/れ)

るる
助動詞「る」受身(連体)
(れ/れ/る/るる/るれ/れよ)


名詞


助詞・格助詞


助詞・係助詞

思は
動詞「思ふ」ハ四(未然)
/ひ/ふ/ふ/へ/へ)


助動詞「ず」打消(終止)
(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)

誓ひ
動詞「誓ふ」ハ四(連用)
(は//ふ/ふ/へ/へ)


助動詞「つ」完了(連用)
(て//つ/つる/つれ/てよ)


助動詞「き」直接過去(連体)
(せ/〇/き//しか/〇)


名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

惜しく
形容詞「惜し」シク活用(連用)
(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)


助詞・係助詞

ある
動詞「あり」補ラ変(連体)
(ら/り/り//れ/れ)

かな
助詞・終助詞

(活用語)
忘ら るる 身をば思は ず 誓ひ て し 人の命の 惜しくあるかな

[動詞]
・忘る
・思ふ
・誓ふ
・あり

[形容詞]
・惜し

[助動詞]
・るる・・「る」受身
・ず・・「ず」打消
・て・・「つ」完了
・し・・「き」直接過去

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30. 有明けの つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし / 壬生忠岑

30. 有明けの つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし / 壬生忠岑

(読み)
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし / みぶのただみね

(訳)
明け方の月が冷ややかに空に残っていたように、あなたが冷たく見えた別れ以来、夜明けほど辛いものはありません。

(解説)
・暁(あかつき)・・午前3時ごろ、まだ暗い時間。

・有明の月・・旧暦の16日以降の、夜明け前の空に残る月。

(出典)
01『古今和歌集』


(作者)
壬生忠岑(みぶのただみね)。(9C末~10C前)

・初の勅撰和歌集『古今和歌集』。の撰者

・壬生忠見(41「恋すてふ」)の父。三十六歌仙の一人。

・『忠岑十体(ただみねじゅったい)』(歌論集)を残す。


(品詞)
有明け
名詞


助詞・格助詞

つれなく
形容詞「つれなし」ク活用(連用)
(〇//し/き/けれ/〇)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)

見え
動詞「見ゆ」ヤ下二(連用)
(え//ゆ/ゆる/ゆれ/えよ)


助動詞「き」直接過去(連体)
連用形接続・特殊型
(せ/〇/き//しか/〇)

別れ
名詞

より
助詞・格助詞


名詞

ばかり
助詞・副助詞

憂き
形容詞「憂し」ク活用(連体)
(〇/く/し//けれ/〇)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)

もの
名詞


助詞・係助詞

なし
形容詞「なし」ク活用(終止)
(〇/く//き/けれ/〇)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)

 

(活用語)
有明けの つれなく 見え し 別れより 暁ばかり 憂きものはなし

[動詞]
・見ゆ

[形容詞]
・つれなし
・憂し
・なし

[助動詞]
・し

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27. みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ / 中納言兼輔

27. みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ / 中納言兼輔

(読み)
みかのはら わきてながるる いずみがわ いつみきとてか こいしかるらん / ちゅうなごんかねすけ

(訳)
みかの原を分けて湧き流れる泉川の名のように、あなたをいつ見たということでこんなに恋しいのだろうか

(解説)
・まだ逢ったことのない人への恋心がつのる歌。

・泉川・・現在の木津川

(出典)
08『新古今和歌集』


(作者)
中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)。藤原兼輔。(877~933)

三十六歌仙の1人。

・賀茂川の堤に邸宅があったことから「堤(つつみ)中納言」と呼ばれた。

・藤原冬嗣のひ孫。藤原為時の祖父。紫式部(「57めぐりあいて」)の曽祖父。

・いとこの三条右大臣・藤原定方(25「名にしおはば」)とともに、醍醐朝の歌壇を支えた。


(品詞)
みかの原
固有名詞

わき
動詞「わく」カ四(連用)
(か//く/く/け/け)
(掛詞)
ー 分き
ー 湧く


助詞・接続助詞

流るる
動詞「流る」ラ下二(連体)
(れ/れ/る/るる/るれ/れよ)

いづみ川
固有名詞

いつ
代名詞


動詞「見る」マ上一(連用)
(み/み/みる/みる/みれ/みよ)


助動詞「き」直接過去(終止)
(せ/〇//し/しか/〇)
連用形接続・特殊型

とて
助詞・格助詞


助詞・係助詞

恋しかる
形容詞「恋し」シク活用(終止)
(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

らむ
助動詞「らむ」推量(連体)
(〇/〇/らむ/らむ/らめ/〇)
終止形接続(ラ変型には連体形接続)

(活用語)
みかの原 わき流るる いづみ川 いつきとてか 恋しかる らむ

[動詞]
・わく
・流る
・見る

[形容詞]
・恋し

[助動詞]
・らむ・・「らむ」推量

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25. 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな / 三条右大臣

25. 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな / 三条右大臣

(読み)
なにしおわば おうさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな / さんじょううだいじん

(訳)
その名前を負うなら逢坂山のさねかずらよ。たぐりよせて人に知られずに会えたらいいのに。

(解説)
・「もがな」・・~ならいいのに(願望)

・逢坂山は山城国(京都)と近江国(滋賀)の境界にある山。

(出典)
02『後撰和歌集』


(作者)
三条右大臣(さんじょううだいじん)。藤原定方(ふじわらのさだかた)。(873~932)

・京都・三条に屋敷があった。和歌や管弦にすぐれ女性に人気があった。

・いとこの藤原兼輔(27「みかの原」)とともに、醍醐朝の歌壇のパトロン的存在であり、紀貫之(35「人はいさ」)らを支援した。

 

さねかずら


(品詞)

名詞


助詞・格助詞


助詞・副助詞

おは
動詞「おふ」ハ四(未然)
/ひ/ふ/ふ/へ/へ)


助詞・接続助詞

逢坂山
固有名詞


助詞・格助詞

さねかづら
名詞


名詞


助詞・格助詞

知ら
動詞「知る」(未然)
/り/り/る/れ/れ)


助動詞「る」(未然)
未然形接続・下二段型
/れ/る/るる/るれ/れよ)


助詞・接続助詞(打消)

くる
動詞「来(く)」カ変(連体)
(こ/き/く/くる/くれ/こ(こよ))

よし
名詞

もがな
助詞・終助詞

 

(活用語)
名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知ら れくるよしもがな

[動詞]
・おふ
・知る
・来

[助動詞]
・れ・・「る」受身

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21. いま来むと いひしばかりに 長月の ありあけの月を 待ち出でつるかな / 素性法師

21. いま来むと いひしばかりに 長月の ありあけの月を 待ち出でつるかな / 素性法師(そせいほうし)

(読み)
いまこんと いいしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな

(訳)
「すぐに来よう」とあなたが言ったから待っていたのに、長月の明け方の月が出るまで待ちあかしてしまったわ。

(解説)
・長月・・九月

・有明の月・・明け方に残る月

・「一晩中待った」という「一夜説」と、春から秋まで、長月(9月)まで数ヶ月も待ったという「月来説(つきごろせつ)」がある。

・女性の気持ちになって詠んだ歌。

(出典)
01 古今和歌集


(作者)
素性法師(そせいほうし)。良岑玄利(よしみねのはるとし)(9C後~10C初)

三十六歌仙の1人。僧正遍照(12「あまつかぜ」)の子。

・56代・清和天皇に仕えた。

・書家としても有名。


(品詞)
いま
副詞

(こ)
動詞「来(く)」カ変(未然)
/き/く/くる/くれ/こ(こよ))


助動詞「む」意志(終止)
(〇/〇//む/め/〇)


助詞・格助詞

いひ
動詞「言ふ」ハ四(連用)
(は//ふ/ふ/へ/へ)


助動詞「き」過去(連体)
(せ/〇/き//しか/〇)

ばかり
副詞


助詞・格助詞

長月
名詞


助詞・格助詞

ありあけ
名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

待ち出で
動詞「待ち出づ」ダ下二(連用)
(で//づ/づる/づれ/でよ)

つる
助動詞「つ」完了(連体)
連用形接続・下二段型
(て/て/つ/つる/つれ/てよ)

かな
助詞・終助詞

 

(活用語)
いま来 むいひ しばかりに 長月の ありあけの月を 待ち出で つるかな

[動詞]
・来(く)
・言ふ
・待ち出づ

[助動詞]
・む・・「む」意志
・し・・「き」過去
・つる・・「つ」完了

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20. わびぬれば いまはた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ / 元良親王

20. わびぬれば いまはた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ / 元良親王

(読み)
わびぬれば いまはたおなじ なにわなる みをつくしても あわんとぞおもう / もとよししんのう

(訳)
逢うことができず辛いので今となってはもうどうなっても同じこと。難波潟にある澪標のように、身を尽くしても逢いたいのです。

(解説)
・59代宇多上皇の后、京極御息所(きょうごくのみやすどころ)との人目を忍ぶ恋の歌。

(出典)
02 後撰和歌集


(作者)
元良親王(もとよししんのう)(890~943)

・57代 陽成院(13「つくばねの」)の第一皇子だが、皇位は継げなかった。

・「いみじき色好み」、「一夜巡りの君」とも呼ばれた。

・『大和物語』などに親王の逸話が伝わる。


(品詞)
わび
動詞「わぶ」バ上二(連用)
(び//ぶ/ぶる/ぶれ/びよ)

ぬれ
助動詞「ぬ」完了(已然)
連用形接続・ナ変型
(な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)


助詞・接続助詞

いま
名詞

はた
副詞

同じ
形容詞「同じ」シク活用(終止)
(〇/く//き/けれ/〇)

難波
固有名詞

なる
助動詞「なり」存在
連体形接続・形容動詞型
(なら/なり or に/なり/なる/なれ/なれ)


名詞


助詞・格助詞

つくし
動詞「つくす」サ四(連用)
(さ//す/す/せ/せ)
(掛詞)
– 身を尽くし
– 澪標


助詞・接続助詞

・も
助詞・係助詞

逢は
動詞「逢ふ」ハ四(未然)
/ひ/ふ/ふ/へ/へ)


助動詞「む」意志(終止)
(〇/〇//む/め/〇)


助詞・格助詞


助詞・係助詞

思ふ
動詞「思ふ」ハ四(連体)
(は/ひ/ふ//へ/へ)

 

(活用語)
わび ぬれ ば いまはた同じ 難波なる みをつくしても 逢は むとぞ思ふ

[動詞]
・わぶ
・つくす
・逢ふ
・思ふ

[形容詞]
・同じ

[助動詞]
・ぬれ・・「ぬ」完了
・なる・・「なり」存続

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19. 難波潟 みじかき葦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや / 伊勢

19. 難波潟 みじかき葦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや / 伊勢

(読み)
なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや / いせ

(訳)
あなたに会わずに一人で過ごせというの。そんなの無理。葦のふしのような短い間でもあなたに会いたい。

(出典)
08 新古今和歌集


(作者)
伊勢(いせ)(877~938)

三十六歌仙の1人。父が伊勢守(三重県)。59代宇多天皇の中宮、温子に仕えた。

・歌集に『伊勢集』がある。

・この歌は藤原仲平に送った返歌とされる。(藤原仲平は、時の関白・藤原基経の次男。穏子(60代・醍醐天皇の中宮)の兄。)

(※藤原基経の子は、長男・時平(菅原道真を左遷)、次男・仲平(伊勢に18「難波潟」の歌をもらう)、三男・忠平(性格温厚)。三平ともいわれる。)

・伊勢は恋多き女性で、仲平の兄の藤原時平や、59代宇多天皇にも愛され、宇多天皇との間には皇子ももうけた。

・後に宇多天皇の第四皇子・敦慶(あつよし)親王と結婚。娘の中務(なかつかさ)も歌人。


(品詞)
難波潟
固有名詞

みじかき
形容詞「みじかし」ク活用(連体)
本活用(〇/く/し//けれ/〇)
補助活用(助動)(から/かり/〇/かる/〇/かれ)


名詞


助詞・格助詞

ふし
名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・係助詞

逢は
動詞「逢ふ」ハ四(未然)
/ひ/ふ/ふ/へ/へ)


助詞・接続助詞(逆接)


代名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

過ぐし
動詞「過ぐす」サ四(連用)
(さ//す/す/せ/せ)

てよ
助動詞「つ」完了(命令)
連用形接続・下二段型
(て/て/つ/つる/つれ/てよ


助詞・格助詞


助詞・係助詞
(結びは省略)

(活用語)
難波潟 みじかき葦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐし てよ とや

[動詞]
・逢ふ
・過ぐす

[形容詞]
・みじかし

[助動詞]
・てよ・・「つ」完了

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18. 住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ / 藤原敏行朝臣

18. 住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ / 藤原敏行朝臣

(読み)
すみのえの きしによるなみ よるさえや ゆめのかよいじ ひとめよくらん / ふじわらのとしゆきあそん

(訳)
住の江の岸に打ち寄せる波ではないが、夜に見る夢の中の通い路までも、どうしてあの人は人目を避けるのだろうか。

(語句)
・ひとめ・・人の目

・よくらむ・・「よく」は「避ける」。「らむ」は推量「~だろうか」

(解説)
・女性の気持ちになって詠んだ歌

・人目を忍ぶ恋のもどかしさ

・住之江は大阪・住吉の海岸。松の名所で「待つ恋」によく詠まれる歌枕。

(出典)
01『古今和歌集』


(作者)
藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)(~907)

・在原業平(17「ちはやぶる」)とは妻同士が姉妹。

・『伊勢物語』にも登場する。(『古文教室。古典文法編』)

・59代宇多天皇に仕えた。

・書にも優れ、京都、神護寺の鐘銘が現存。

『古今集』の歌
「秋きぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」

((訳)秋が来たと、はっきりと目にはみえないけれど、風の音で(秋の到来に)はっと気づきました。)


(品詞)
住の江
固有名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

よる
動詞「よる」ラ四(連体)
(ら/り/る//れ/れ)


名詞

よる
名詞

さへ
助詞・副助詞


助詞・係助詞


名詞


助詞・格助詞

通ひ路
名詞

人め
名詞

よく
動詞「よく」カ下二(終止)
(け/け//くる/くれ/けよ)

らむ
助動詞「らむ」推量(連体)
終止形接続(ラ変型には連体形接続)
四段型
(〇/らむ/らむ/らめ/〇)

 

(活用語)
住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよく らむ

[動詞]
・よる
・よく

[助動詞]
・らむ・・「らむ」推量

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