恋 – ページ 2 – 百人一首note

74. 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを / 源俊頼朝臣

(奈良・長谷寺)

74. 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを / 源俊頼朝臣

(読み)
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを(みなもとのとしよりあそん)

(訳)
つれなかったあの人が振り向いてくれるようにと観音様にお祈りしたのに、初瀬の山おろしよ、激しく辛くあたれとは祈らなかったのに。

(解説)
・奈良・初瀬の長谷寺は恋の願いが叶うと有名。十一面観音がある。

平安時代は観音信仰が盛ん。長谷寺(大和)、石山寺(近江)、清水寺(山城)などが、霊験(れいげん)験(あらた)かな寺として有名だった。

(出典)
07『千載和歌集』


(作者)
源俊頼朝臣(みなもとのとしよりあそん)。(1055?~1129?)

・父は源経信(つねのぶ)(71「夕されば」)。息子は俊恵法師(85「夜もすがら」)。

・「新風(しんぷう)」と呼ばれた革新的な歌風は後世にも影響を与え、藤原俊成(83「よのなかよ」)にも受け継がれた。

・白河上皇の命で『金葉和歌集』の撰者となる。

・歌学書『俊頼髄脳』を著す。

・音楽の才能もあったといわれる。

・曾禰好忠(そねのよしただ)の46「ゆらのとを」を本歌取りして、好忠へのリスペクトを表明した。


(品詞)
憂かり
形容詞「憂し」ク活用(連用)
– 本活用(〇/く/し/き/けれ/〇)
– 補助活用(助動詞)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)

ける
助動詞「けり」(連体)
連用形接続・ラ変型
(けら/〇/けり/ける/けれ/〇)


名詞


助詞・格助詞

初瀬
固有名詞


助詞・格助詞

山おろし
名詞


助詞・間投助詞

はげしかれ
形容詞「はげし」シク活用(命令)
– 本活用(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
– 補助活用(助動詞)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ


助詞・格助詞


助詞・係助詞

祈ら
動詞「祈る」ラ四(未然)
/り/る/る/れ/れ)


助動詞「ず」打消(連体)
未然形接続・特殊型
(〇/ず/ず//ね/〇)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)

ものを
助詞・接続助詞

 

(活用語)
憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを

[動詞]
・祈る

[形容詞]
・憂し
・はげし

[助動詞]
・ける・・「けり」過去
・ぬ・・「ず」打消

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72. 音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ / 祐子内親王家紀伊

72. 音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ / 祐子内親王家紀伊

(読み)
おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ(ゆうしないしんのうけのきい)

(訳)
噂に名高い高師の浜の気まぐれな波のように、浮気者で名高いあなたの言葉は心にかけないように。涙で袖が濡れてしまいますから。

(語句)
・音にきく・・うわさに聞く、有名な。

・ぬれもこそすれ・・ぬれたら大変だ。「も」「こそ」を重ねると未来に対する不安を表す。

(掛詞)
高師の浜
・地名
・高し

あだ波
・いたずらな波
・浮気な男性

かけじ
・波を袖にかけまい
・あなたを心にかけまい

(解説)
・1201年 堀河上皇開催の「艶書合(えんしょあわせ/けそうぶみあわせ)」で詠まれた。

・このとき紀伊は70才。お相手は29才の中納言・藤原俊忠。

(出典)
05『金葉和歌集』


(作者)
祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい)。(11C後半)

・69代 後朱雀天皇の皇女である祐子内親王に仕えた。


(品詞)

名詞


助詞・格助詞

きく
動詞「きく」カ四(連体)
(か/き/く//け/け)

高師の浜
固有名詞


助詞・格助詞

あだ波
名詞


助詞・係助詞

かけ
動詞「かく」カ下二(未然)
/け/く/くる/くれ/けよ)


助動詞「じ」打消意志(終止)
未然形接続・特殊型
(〇/〇//じ/じ/〇)


助詞・間投助詞


名詞


助詞・格助詞

ぬれ
動詞「ぬる」ラ下二(連用)
(れ//る/るる/るれ/れよ)


助詞・係助詞

こそ
助詞・係助詞

すれ
動詞「す」サ変(已然)
(せ/し/す/する/すれ/せよ)

 

(活用語)
音にきく 高師の浜の あだ波は かけ や袖の ぬれ もこそすれ

[動詞]
・きく
・かく
・ぬる
・す

[助動詞]
・じ・・「じ」(打消推量)

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65. 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ / 相模

(ハナニラ 花言葉:悲しい別れ)

65. 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ / 相模

(読み)
うらみわび ほさぬそでだに あるものを こいにくちなむ なこそおしけれ(さがみ)

(訳)
あなたを恨み、涙でかわく間もなく着物の袖が朽ちるのも悔しいのに、恋の噂のために私の評判まで落ちてしまうのが悔しくてなりません。

(語句)
・恨みわび・・恨むのも疲れてしまった。
「~わぶ」は、動詞の連用形に付いて、その気力も失うの意味。

・ほさぬ袖だに あるものを・・涙の乾く間もない袖が朽ちるのさえ悔しいのに。

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)
相模(さがみ)。(998-1068)

・脩子内親王家(一条帝の皇女)に出仕し、宮廷歌人として活躍。紫式部、和泉式部らと並び称された。相模守大江公資(きんすけ)の妻。

・50代半ばで出席した歌合わせで詠まれた。それまでの恋愛経験を踏まえて詠んだ歌とされる。

・父は源頼光で大江山の酒吞童子(しゅてんどうじ)を退治した伝説を持つ。


(品詞)
恨みわび
動詞「恨みわぶ」バ上二(連用)
(び//ぶ/ぶる/ぶれ/びよ)

ほさ
動詞「ほす」サ四(未然)
/し/す/す/せ/せ)


助動詞「ず」打消(連体)
本活用(〇/ず/ず//ね/〇)
補助活用(助動詞)・・(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)


名詞

だに
助詞・副助詞

ある
動詞「あり」ラ変(連体)
(ら/り/り//れ/れ)

ものを
助詞・接続助詞


名詞


助詞・格助詞

朽ち
動詞「朽つ(くつ)」タ上二(連用)
(ち//つ/つる/つれ/ちよ)


助動詞「ぬ」強意(未然)
/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)


助動詞「推量」(連体)
(〇/〇/む//め/〇)
未然形接続・四段型


名詞

こそ
助動詞・係助詞

惜しけれ
形容詞・シク活用(已然)
– 本活用(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
– 補助活用(助動詞)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

 

(活用語)
恨みわび ほさ ぬ 袖だに あるものを 恋に朽ち な む 名こそ惜しけれ

[動詞]
・恨みわぶ
・ほす
・あり

[形容詞]
・惜し

[助動詞]
・ぬ・・「ず」
・な・・「ぬ」
・む・・「む」

 

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63. 今はただ 思ひたえなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな / 左京大夫道雅

 (アネモネ 花言葉:恋の苦しみ)

63. 今はただ 思ひたえなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな / 左京大夫道雅

(読み)
いまはただ おもいたえなん とばかりを ひとづてならで いうよしもがな(さきょうのだいぶみちまさ)

(訳)
今となってはただ「あなたを諦めます」ということだけを、人づてではなく直接お会いして言いたいのです。

(語句)
・思い絶えなむ・・思いを断ち切ろう
・人づてならで・・人づてではなく。「で」は打消。
・いふよしもがな・・いふ方法があればいいのに。「もがな」は願望を表す。

(解説)
・三条院の皇女・当子内親王(とうしないしんのう)へ思いを寄せていたが、反対されて仲を引き裂かれてしまった。

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)
左京大夫道雅(さきょうのだいぶみちまさ)。藤原道雅(ふじわらのみちまさ)。(992-1054)

・失脚した藤原伊周(これちか)の息子。祖母は儀同三司母(54「忘れじの」)。のちに荒三位と呼ばれた。


(品詞)

名詞


助詞・係助詞

ただ
副詞

思ひたえ
動詞「思ひたゆ」ヤ下二(連用)
(え//ゆ/ゆる/ゆれ/えよ)


助動詞「ぬ」強意(未然)
連用形接続・ナ変型
/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)


助動詞「む」意志(終止)
未然形接続・四段型
(〇/〇//む/め/〇)


助詞・格助詞

ばかり
助詞・副助詞


助詞・格助詞

人づて
名詞

なら
助動詞「なり」断定(未然)
連体形接続・形容動詞型
なら/なり or に/なり/なる/なれ/なれ)


助詞・接続助詞

いふ
動詞「いふ」ハ四(連体)
(は/ひ/ふ//へ/へ)

よし
名詞

もがな
助詞・終助詞

 

(活用語)
今はただ 思ひたえ な む とばかりを 人づてならで いふよしもがな

[動詞]
・思ひたゆ
・いふ

[助動詞]
・な・・「ぬ」強意
・む・・「む」推量

 

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59. やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな / 赤染衛門

59. やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな / 赤染衛門

やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな(あかぞめえもん)

(訳)
あなたが来ないと分かっていたら、ためらうことなく寝てしまったのに。あなたを待っているうちに夜がふけて西の空にかたむいて沈んでいく月をみたことです。

(語句)
・やすらはで・・ためらわないで。「やすらふ」は「ためらう」の意味。「で」は打消。

・「まし」は反実仮想。「もし~なら~なのに。」

(解説)
・蔵人少将(くろうどのしょうしょう)藤原道隆に恋した妹の代わりに詠んだ歌。

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)
赤染衛門(あかぞめえもん)。(958~1041)

・父・赤染時用(ときもち)が衛門丞(えもんのじょう)のためこう呼ばれる。道長の妻・倫子(りんし)や、66代一条天皇の中宮・彰子(しょうし)に仕える。

・才女で優しい人柄であり、紫式部清少納言とも親しかったと言われる。『栄花物語』の作者。

・夫は学者の大江匡衡(おおえのまさひら)。


(品詞)

やすらは
動詞「やすらふ」ハ四(未然)
/ひ/ふ/ふ/へ/へ)


助詞・接続助詞(打消)

(ね)
動詞「寝(ぬ)」ナ下二(連用)
(ね//ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ)


助動詞「ぬ」完了(未然)
連用形接続・ナ変型
/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)
「~してしまった」

まし
助動詞「まし」反実仮想(連体)
(ませ or ましか/〇/まし/まし/ましか/〇)
未然形接続・特殊型
「もし~なら~だろうに」

ものを
助詞・接続助詞

さ夜
(接頭)名詞

ふけ
動詞「ふく(更く)」カ下二(連用)
(け//く/くる/くれ/けよ)


助詞・接続助詞

かたぶく
動詞「かたぶく」カ四(連体)
(か/き/く//け/け)

まで
助詞・副助詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞


動詞「見る」マ上一(連用)
(み//みる/みる/みれ/みよ)


助動詞「き」過去(連体)
連用形接続・特殊型
(せ/〇/き//しか/〇)

かな
助詞・終助詞(詠嘆)

 

(活用語)

やすらは寝 な まし ものを 小夜ふけかたぶくまでの 月を かな

[動詞]
・やすらふ
・寝(ぬ)
・ふく
・かたぶく

[助動詞]
・な・・「ぬ」(完了)
・まし・・「まし」(反実仮想)
・・「き」(直接経験の過去)

 

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58. 有馬山 いなの笹原 風吹けば いでそよ人を わすれやはする / 大弐三位

58. 有馬山 いなの笹原 風吹けば いでそよ人を わすれやはする / 大弐三位

(読み)
ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする(だいにのさんみ)

(訳)
有馬山から猪名の笹原に風が吹くと、笹の葉がそよそよと音を立てます。そうよ、そうよ、どうして私があなたを忘れるでしょうか。

(語句)
・有馬山・・摂津国(せっつのくに)・有馬郡にある山。
・ゐなの笹原・・摂津国を流れる猪名川周辺の笹原。
・いでそよ・・さあ、そうよ。
・忘れやはする・・忘れるでしょうか、いいえ、忘れないでしょう。
「やは」は「反語」

(掛詞)
そよ
・「そうよ」
・葉音の「そよそよ」

(係り結び)
やは→する(連体)

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)
大弐三位(だいにのさんみ)。藤原賢子(かたこ)。(999~)

・母は紫式部(57「めぐりあいて」)。70代後冷泉天皇の乳母となり、従三位(じゅさんみ)に除せられた。


(品詞)
有馬山
固有名詞

いな
固有名詞


助詞・格助詞

笹原
名詞


名詞

吹け
動詞「吹く」カ四(已然)
(か/き/く/く//け)


助詞・接続助詞

いで
副詞


代名詞


助詞・終助詞


名詞


助詞・格助詞

わすれ
動詞「わする」ラ下二(連用)
(れ//る/るる/るれ/れよ)

やは
助詞・係助詞

する
動詞「す」サ変(連体)
(せ/し/す/する/すれ/せよ)

(活用語)
有馬山 いなの笹原 風吹けば いでそよ人を わすれやはする

[動詞]
・吹く
・わする

 

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56. あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな / 和泉式部

56. あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな / 和泉式部

(読み)
あらざらん このよのほかの おもいでに いまひとたびの おうこともがな(いずみしきぶ)

(訳)
私はもうすぐこの世を去るでしょう。あの世への思い出にせめて今一度お会いしたいものです。

(語句)
・あらざらむ・・いなくなってしまうだろう。死んでしまうだろう。
・この世のほかの・・あの世
・逢ふこともがな・・会いたいものであるよ。「もがな」は願望。

(解説)
・最初の夫、橘道貞を思って詠んだ歌と言われる。

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)
和泉式部(いずみしきぶ)。(976~)

・大江雅致(まさむね)の娘。橘道貞(たちばなのみちさだ)と結婚。娘は小式部内侍(60「大江山」)。

・66代一条天皇の中宮・彰子(しょうし)に仕えた。

・恋多き女性と言われ、結婚していながら、63代冷泉天皇の皇子・為尊(ためたか)親王や、その弟の敦道親王とも愛し合ったと言われる。

・『和泉式部日記』は敦道親王の死を悼む歌が124首詠まれている。

・藤原保昌と再婚。

 


(品詞)

あら
動詞「あり」ラ変(未然)
/り/り/る/れ/れ)

ざら
助動詞「ず」打消(未然)
未然形接続・特殊型
本活用(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
補助活用(助動詞)(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)


助動詞「む」推量(連体)
未然形接続・四段型
(〇/〇/む//め/〇)


代名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

ほか
名詞


助詞・格助詞

思ひ出
名詞


助詞・格助詞


副詞

ひとたび
名詞


助詞・格助詞

逢ふ
動詞「逢ふ」ハ四(連体)
(は/ひ/ふ//へ/へ)

こと
名詞

もがな
助詞・終助詞

 

(活用語)

あら ざら この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな

[動詞]
・あり
・逢ふ

[助動詞]
・ざり
・む

 

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54. 忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな / 儀同三司母

54. 忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな / 儀同三司母

(読み)
わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな(ぎどうさんしのはは)

(訳)
忘れないよとあなたがおっしゃった言葉がずっと続くとは思えないので今日を最後に死んでしまいたいのです。

(語句)
・忘れじの・・あなたが私を忘れないよという。「じ」は助動詞・打消意志。
・行く末までは・・将来までは
・かたければ・・難しいことなので。
・命ともがな・・命であってほしい。「もがな」は助詞・願望。

(出典)
08『新古今和歌集』


(作者)
儀同三司母(ぎどうさんしのはは)。高階貴子(たかしなのきし/たかこ)。(~996)

・高階成忠の娘。関白・藤原道隆の妻。和歌や漢文にすぐれ高内侍(こうのないし)と呼ばれた。

・伊周(これちか)、隆家(たかいえ)、定子(ていし)の母。儀同三司(大臣と同格位)は伊周の官位。


(品詞)
忘れ
動詞「忘る(わする)」ラ下二(未然)
/れ/る/るる/るれ/れよ)


助動詞「じ」打消推量(終止)
未然形接続・特殊型
(〇/〇//じ/じ/〇)


助詞・格助詞

行く末
名詞

まで
助詞・副助詞


助詞・係助詞

かたけれ
形容詞「難し(かたし)」ク活用
本活用(〇/く/し/き/けれ/〇)
補助活用(助動詞)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)


助詞・接続助詞

今日
名詞


助詞・格助詞

限り
名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

もがな
助詞・終助詞

ーーーーーーーーーーーーー
(活用語)
忘れ の 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな

[動詞]
・忘る

[形容詞]
・かたし(難し)

[助動詞]
・じ(打消意志)

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53. 嘆きつつ 独りぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る / 右大将道綱母

53.嘆きつつ 独りぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る / 右大将道綱母

(読み)
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる(うだいしょうみちつなのはは)

(訳)
あなたが来ないことを嘆きながら一人で寝る夜がどんなに長いか、きっとあなたはご存じないでしょうね。

(語句)
・明くる間は・・明けるまでの時間は
・いかに・・どんなに
・久しき・・長い
・かは・・(反語)きっと~ないでしょう

(係り結び)
かは→知る(連体形)

(出典)
03『拾遺和歌集』


(作者)
右大将道綱母。(うだいしょうみちつなのはは)。(937~995)

・『蜻蛉日記(かげろうにっき)』の作者。

・藤原兼家の第二夫人。藤原道綱の母。
(藤原兼家は正妻(時姫)との間に藤原家隆(兄)、藤原道長(弟)がいる)

・本朝三美人の一人といわれる。
(本朝三美人:衣通姫(そとおりひめ)、光明(こうみょう)皇后、藤原道綱母)


(品詞)
嘆き
動詞「嘆く(なげく)」カ四(連用)
(か//く/く/け/け)

つつ
助詞・接続助詞

ひとり
名詞

寝る(ぬる)
動詞「寝(ぬ)」ナ下二(連体)
(ね/ね/ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ)


名詞


助詞・格助詞

明くる(あくる)
動詞「明く」カ下二(連体)
(け/け/く/くる/くれ/けよ)


名詞


助詞・係助詞

いかに
副詞

久しき
形容詞「久し」シク活用(連体)
本活用(〇/しく/し/しき/しけれ /〇)
補助活用(助動詞)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

もの
名詞


助詞・格助詞

かは
助詞・係助詞

知る
動詞「知る」ラ四(連体)
(ら/り/る//れ/れ)

ーーーーーーーーーーーーー

(活用語)
嘆きつつ 独りぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る

[動詞]
・嘆く
・寝(ぬ)
・明く
・知る

[形容詞]
・久し

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52. 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな / 藤原道信朝臣

52. 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな / 藤原道信朝臣

(読み)
あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな(ふじわらのみちのぶあそん)

(訳)
夜が明けてしまえば日が暮れてまたあなたに会える。それを分かっていながらもやはり夜明けは恨めしい。

(語句)
・明けぬれば・・(夜が)明けてしまえば

<助動詞「ぬ」(完了)已然形>+「ば」
確定条件。~ば

・知りながら・・知ってはいるものの
「ながら」は逆接。

・なほ・・そうはいってもやはり。(副詞)

・朝ぼらけ・・夜がほのぼの明けてくるころ

(詞書)
雪の降った日に恋人のもとから帰ってきて詠んだ歌『後拾遺集』

(出典)
04『後拾遺和歌集』


(作者)
藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)。(972~994)

・藤原為光の子。和歌に秀で、奥ゆかしい性格と伝わる。藤原公任らとも親しかった。

・藤原兼家の養子となるが、23才の若さで亡くなる。

[藤原家家系図]

26. 藤原忠平(貞信公)
|
藤原師輔
|—————-|—————-|
45. 伊尹    為光   兼家
|                    |     |
50. 義孝    ▶52. 道信 道長


(品詞)
明け
動詞「明く(あく)」カ下二(連用)
(け//く/くる/くれ/けよ)

ぬれ
助動詞「ぬ」完了(已然)
(な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)
連用形接続・ナ変型
「~してしまう」


助詞・接続助詞(逆接)

暮るる
動詞「暮る(くる)」ラ下二(連体)
(れ/れ/る/るる/るれ/れよ)

もの
名詞


助詞・格助詞


助詞・係助詞

知り
動詞「知る」ラ四(連用)
(ら//る/る/れ/れ)

ながら
助詞・接続助詞

なほ
副詞

うらめしき
形容詞「うらめし」シク活用(連体)
本活用(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
補助活用(助動詞)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

朝ぼらけ
名詞

かな
助詞・終助詞

ーーーーーーーーーーーーー

(活用語)
明け ぬ れば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな

[動詞]
・明く
・暮る
・知る

[形容詞]
・うらめし

[助動詞]
・ぬ(完了)

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