百人一首note – ページ 7

53. 嘆きつつ 独りぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る / 右大将道綱母

53.嘆きつつ 独りぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る / 右大将道綱母

(読み)
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる(うだいしょうみちつなのはは)

(訳)
あなたが来ないことを嘆きながら一人で寝る夜がどんなに長いか、きっとあなたはご存じないでしょうね。

(語句)
・明くる間は・・明けるまでの時間は
・いかに・・どんなに
・久しき・・長い
・かは・・(反語)きっと~ないでしょう

(係り結び)
かは→知る(連体形)


(作者)
右大将道綱母。(うだいしょうみちつなのはは)。(937~995)

・『蜻蛉日記(かげろうにっき)』の作者。

・藤原兼家の第二夫人。藤原道綱の母。
(藤原兼家は正妻(時姫)との間に藤原家隆(兄)、藤原道長(弟)がいる)

・本朝三美人の一人といわれる。
(本朝三美人:衣通姫(そとおりひめ)、光明(こうみょう)皇后、藤原道綱母)


(品詞)
嘆き
動詞「嘆く(なげく)」カ四(連用)
(か//く/く/け/け)

つつ
助詞・接続助詞

ひとり
名詞

寝る(ぬる)
動詞「寝(ぬ)」ナ下二(連体)
(ね/ね/ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ)


名詞


助詞・格助詞

明くる(あくる)
動詞「明く」カ下二(連体)
(け/け/く/くる/くれ/けよ)


名詞


助詞・係助詞

いかに
副詞

久しき
形容詞「久し」シク活用(連体)
本活用(〇/しく/し/しき/しけれ /〇)
補助活用(助動詞)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

もの
名詞


助詞・格助詞

かは
助詞・係助詞

知る
動詞「知る」ラ四(連体)
(ら/り/る//れ/れ)

ーーーーーーーーーーーーー

(活用語)
嘆きつつ 独りぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る

[動詞]
・嘆く
・寝(ぬ)
・明く
・知る

[形容詞]
・久し

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54. 忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな / 儀同三司母

54. 忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな / 儀同三司母

(読み)
わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな(ぎどうさんしのはは)

(訳)
忘れないよとあなたがおっしゃった言葉がずっと続くとは思えないので今日を最後に死んでしまいたいのです。

(語句)
・忘れじの・・あなたが私を忘れないよという。「じ」は助動詞・打消意志。
・行く末までは・・将来までは
・かたければ・・難しいことなので。
・命ともがな・・命であってほしい。「もがな」は助詞・願望。


(作者)
儀同三司母(ぎどうさんしのはは)。高階貴子(たかしなのきし/たかこ)。(~996)

・高階成忠の娘。関白・藤原道隆の妻。和歌や漢文にすぐれ高内侍(こうのないし)と呼ばれた。

・伊周(これちか)、隆家(たかいえ)、定子(ていし)の母。儀同三司(大臣と同格位)は伊周の官位。


(品詞)
忘れ
動詞「忘る(わする)」ラ下二(未然)
/れ/る/るる/るれ/れよ)


助動詞「じ」打消推量(終止)
未然形接続・特殊型
(〇/〇//じ/じ/〇)


助詞・格助詞

行く末
名詞

まで
助詞・副助詞


助詞・係助詞

かたけれ
形容詞「難し(かたし)」ク活用
本活用(〇/く/し/き/けれ/〇)
補助活用(助動詞)
(から/かり/〇/かる/〇/かれ)


助詞・接続助詞

今日
名詞


助詞・格助詞

限り
名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

もがな
助詞・終助詞

ーーーーーーーーーーーーー
(活用語)
忘れ の 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな

[動詞]
・忘る

[形容詞]
・かたし(難し)

[助動詞]
・じ(打消意志)

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55. 滝の音は 耐えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ / 大納言公任

55. 滝の音は 耐えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ / 大納言公任

(読み)
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なおきこえけれ(だいなごんきんとう)

(訳)
滝の音は長い年月の間に枯れて聞こえなくなったけれど、名高い評判は今も伝わっているよ。

(語句)
・絶えて・・聞こえなくなって
・久しくなりぬれど・・長い時間が経ってしまったけれど
・名こそ流れて・・名声、評判は流れ伝わってきて
・なほ聞こえけれ・・やはり、世間に知られている。「聞こゆ」は「評判になる」

(係り結び)
・こそ→けれ(已然形)

(解説)
・大覚寺(京都・嵐山/京の西の方)で詠まれた歌。200年前は嵯峨天皇の離宮だった。今は「名古曽滝跡(なこそのたきあと)」の碑が立っている。


(作者)
大納言公任(だいなごんきんとう)。藤原公任。(966~1041)

・『大鏡』にも登場する。その中で和歌、漢詩、管弦に優れた「三船の才(さんせんのさい)」と称された。

・『和漢朗詠集』や『拾遺集』をまとめた。

・息子は藤原定頼(64「朝ぼらけ」


(品詞)

名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・係助詞

絶え
動詞「絶ゆ(たゆ)」ヤ下二(連用)
(え//ゆ/ゆる/ゆれ/えよ)


助詞・接続助詞

久しく
形容詞「久し」シク活用(連用)
本活用(〇/しく/し/しき/しけれ/〇)
補助活用(助動詞)
(しから/しかり/〇/しかる/〇/しかれ)

なり
動詞「なる」ラ四(連用)
(ら//る/る/れ/れ)

ぬれ
助動詞「ぬ」完了(已然)
連用形接続・ナ変型
(な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)
「~してしまった」


助詞・接続助詞


名詞

こそ
助詞・係助詞

流れ
動詞「流る(ながる)」ラ下二(連用)
(れ//る/るる/るれ/れよ)


助詞・接続助詞

なほ
副詞

聞こえ
動詞「聞こゆ」ヤ下二(連用)
(え//ゆ/ゆる/ゆれ/えよ)

けれ
助動詞「けり」詠嘆(已然)
連用形接続・ラ変型
(けら/〇/けり/ける/けれ/〇)
「~だなあ」

 

(活用語)
滝の音は 絶え久しく なり れど 名こそ流れて なほ聞こえ けれ

[動詞]
・絶ゆ(たゆ)
・流る(ながる)

[形容詞]
・久し

[助動詞]
・ぬ(完了)
・けり(詠嘆)

 

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56. あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな / 和泉式部

56. あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな / 和泉式部

(読み)
あらざらん このよのほかの おもいでに いまひとたびの おうこともがな(いずみしきぶ)

(訳)
私はもうすぐこの世を去るでしょう。あの世への思い出にせめて今一度お会いしたいものです。

(語句)
・あらざらむ・・いなくなってしまうだろう。死んでしまうだろう。
・この世のほかの・・あの世
・逢ふこともがな・・会いたいものであるよ。「もがな」は願望。

(解説)
・最初の夫、橘道貞を思って詠んだ歌と言われる。


(作者)
和泉式部(いずみしきぶ)。(976~)

大江雅致(まさむね)の娘。橘道貞(たちばなのみちさだ)と結婚。娘は小式部内侍(60「大江山」)。中宮・彰子(しょうし)に仕えた。

恋多き女性と言われ、結婚していながら、63代冷泉天皇の皇子・為尊(ためたか)親王や、その弟の敦道親王とも愛し合ったと言われる。夫とは離婚、父からは勘当される。

『和泉式部日記』は敦道親王の死を悼む歌が124首詠まれている。

66代一条天皇の中宮・彰子に仕えた。藤原保昌と再婚。

 


(品詞)

あら
動詞「あり」ラ変(未然)
/り/り/る/れ/れ)

ざら
助動詞「ず」打消(未然)
未然形接続・特殊型
本活用(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
補助活用(助動詞)(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)


助動詞「む」推量(連体)
未然形接続・四段型
(〇/〇/む//め/〇)


代名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

ほか
名詞


助詞・格助詞

思ひ出
名詞


助詞・格助詞


副詞

ひとたび
名詞


助詞・格助詞

逢ふ
動詞「逢ふ」ハ四(連体)
(は/ひ/ふ//へ/へ)

こと
名詞

もがな
助詞・終助詞

 

(活用語)

あら ざら この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな

[動詞]
・あり
・逢ふ

[助動詞]
・ざり
・む

 

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57. めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな / 紫式部

57. めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな / 紫式部

(読み)
めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな(むらさきしきぶ)

(訳)
久しぶりに巡り合い、見たのかどうか分からないうちに、雲間に隠れてしまった夜中の月のように、あなたはたちまち帰ってしまった。

(語句)
・めぐり逢ひて・・めぐり合って。「めぐる」は月の縁語。
・見しや・・「し」は過去、「や」は疑問。
・夜半の月かな・・夜中の月であることよ。「かな」は詠嘆。

(係り結び)
・や→結びは省略

(解説)
幼なじみの友達と久しぶりに会ったのに、相手があわただしく帰ってしまったのを詠んだ歌。


(作者)
紫式部(むらさきしきぶ)。香子(かおりこ)。(970~1014)

『源氏物語』の作者。藤原為時の娘。藤原信孝と結婚。娘は大弐三位(だいにのさんみ)(58「有馬山」

夫と死別後、一条天皇の中宮、彰子(しょうし)に仕えた。


(品詞)

めぐりあひ
動詞「めぐりあふ」ハ四(連用)
(は//ふ/ふ/へ/へ)


助詞・接続助詞


動詞「見る」マ上一(連用)
(み//みる/みる/みれ/みよ)


助動詞「き」過去(連体)
連用形接続・特殊型
(せ/〇/き//しか/〇)


助詞・係助詞

それ
代名詞


助詞・格助詞


助詞・係助詞

わか
動詞「わく(分く)」カ四(未然)
/き/く/く/け/け)


助動詞「ず」打消(連体)
未然形接続・特殊型
ー 本活用(〇/ず/ず//ね/〇)
ー 補助活用(助動詞)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)


名詞


助詞・格助詞

雲がくれ
動詞「雲がくる(くもがくる)」ラ下二(連用)
(れ//る/るる/るれ/れよ)


助動詞「ぬ」完了(連用)
連用形接続・ナ変型
(な//ぬ/ぬる/ぬれ/ね)


助動詞「き」過去(連体)
連用形接続・特殊型
(せ/〇/き//しか/〇)

夜半
名詞


助詞・格助詞


名詞

かな
助詞・終助詞

(活用語)

めぐりあひ やそれとも わか まに 雲がくれ 夜半の月かな

[動詞]
・めぐりあふ
・見る
・わく
・雲がくる

[助動詞]
・・「き」(直接経験の過去)
・・「ず」(打消)
・・「ぬ」(完了)
・・「き」(直接経験の過去)


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58. 有馬山 いなの笹原 風吹けば いでそよ人を わすれやはする / 大弐三位

58. 有馬山 いなの笹原 風吹けば いでそよ人を わすれやはする / 大弐三位

(読み)
ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする(だいにのさんみ)

(訳)
有馬山から猪名の笹原に風が吹くと、笹の葉がそよそよと音を立てます。そうよ、そうよ、どうして私があなたを忘れるでしょうか。

(語句)
・有馬山・・摂津国(せっつのくに)・有馬郡にある山。
・ゐなの笹原・・摂津国を流れる猪名川周辺の笹原。
・いでそよ・・さあ、そうよ。
・忘れやはする・・忘れるでしょうか、いいえ、忘れないでしょう。
「やは」は「反語」

(掛詞)
そよ
・「そうよ」
・葉音の「そよそよ」

(係り結び)
やは→する(連体)


(作者)
大弐三位(だいにのさんみ)。藤原賢子(かたこ)。(999~)

母は紫式部(57「めぐりあいて」)。70代後冷泉天皇の乳母となり、従三位(じゅさんみ)に除せられた。


(品詞)
有馬山
固有名詞

いな
固有名詞


助詞・格助詞

笹原
名詞


名詞

吹け
動詞「吹く」カ四(已然)
(か/き/く/く//け)


助詞・接続助詞

いで
副詞


代名詞


助詞・終助詞


名詞


助詞・格助詞

わすれ
動詞「わする」ラ下二(連用)
(れ//る/るる/るれ/れよ)

やは
助詞・係助詞

する
動詞「す」サ変(連体)
(せ/し/す/する/すれ/せよ)

(活用語)
有馬山 いなの笹原 風吹けば いでそよ人を わすれやはする

[動詞]
・吹く
・わする

 

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59. やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな / 赤染衛門

59. やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな / 赤染衛門

やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな(あかぞめえもん)

(訳)
あなたが来ないと分かっていたら、ためらうことなく寝てしまったのに。あなたを待っているうちに夜がふけて西の空にかたむいて沈んでいく月をみたことです。

(語句)
・やすらはで・・ためらわないで。「やすらふ」は「ためらう」の意味。「で」は打消。

・「まし」は反実仮想。「もし~なら~なのに。」

(解説)
・蔵人少将(くろうどのしょうしょう)藤原道隆に恋した妹の代わりに詠んだ歌。


(作者)
赤染衛門(あかぞめえもん)。(958~1041)
父・赤染時用(ときもち)が衛門丞(えもんのじょう)のためこう呼ばれる。

道長の妻・倫子(りんし)や、66代一条天皇の中宮・彰子(しょうし)に仕える。才女で優しい人柄であり、紫式部清少納言とも親しかったと言われる。『栄花物語』の作者。

夫は学者の大江匡衡(おおえのまさひら)。


(品詞)

やすらは
動詞「やすらふ」ハ四(未然)
/ひ/ふ/ふ/へ/へ)


助詞・接続助詞(打消)

(ね)
動詞「寝(ぬ)」ナ下二(連用)
(ね//ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ)


助動詞「ぬ」完了(未然)
連用形接続・ナ変型
/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)
「~してしまった」

まし
助動詞「まし」反実仮想(連体)
(ませ or ましか/〇/まし/まし/ましか/〇)
未然形接続・特殊型
「もし~なら~だろうに」

ものを
助詞・接続助詞

さ夜
(接頭)名詞

ふけ
動詞「ふく(更く)」カ下二(連用)
(け//く/くる/くれ/けよ)


助詞・接続助詞

かたぶく
動詞「かたぶく」カ四(連体)
(か/き/く//け/け)

まで
助詞・副助詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞


動詞「見る」マ上一(連用)
(み//みる/みる/みれ/みよ)


助動詞「き」過去(連体)
連用形接続・特殊型
(せ/〇/き//しか/〇)

かな
助詞・終助詞(詠嘆)

 

(活用語)

やすらはな まし ものを 小夜ふけかたぶくまでの 月を かな

[動詞]
・やすらふ
・寝(ぬ)
・ふく
・かたぶく

[助動詞]
・・「ぬ」(完了)
まし・・「まし」(反実仮想)
・・「き」(直接経験の過去)

 

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60. 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 / 小式部内侍

(京都・天橋立)

60. 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 / 小式部内侍

(読み)
おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて(こしきぶのないし)

(訳)
大江山を超えて生野を通る道は遠いので、丹後国の天橋立に行ったこともありませんし、母からの手紙も見ていません。

(語句)
・遠ければ・・遠いので
「遠し」の已然形「けれ」+接続助詞「ば」→確定条件

(掛詞)
いく
・生野(いくの)・・京都府福知山市の地名
・行く
・幾(いく)・・多くの

ふみ
・踏み(歩いていく)
・文

(解説)
・天橋立は日本三景の一つ。(松島・厳島・天橋立)

・大江山・・山城国と丹後国の間にまたがる山

・藤原定頼(64「朝ぼらけ」が、小式部内侍をからかったことに対してピシャリと答えた歌。

(句切れ)
四句切れ

(縁語)
「踏み」は「橋」の縁語


(作者)
小式部内侍(こしきぶのないし)(1000~1025)

母は和泉式部56「あらざらん」。父は橘道貞。母とともに中宮彰子に仕えるが、25才で若くして病気で亡くなる。


(品詞)
大江山
固有名詞

いく野
(掛詞)
(1)行く・・動詞「行く」カ四
(か/き/く/く/け/け)
(2)生野・・固有名詞
(3)幾(いく)


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

遠けれ
形容詞「遠し」ク活用(已然)
(〇/く/し/き/けれ/〇)


助詞・接続助詞

まだ
副詞

ふみ
(掛詞)
(1)文・・名詞
(2)踏み・・動詞「踏む」マ四(連用)
(ま//む/む/め/め)


助詞・係助詞


動詞「見る」マ上一(未然)
/み/みる/みる/みれ/みよ)


助動詞「ず」打消(終止)
未然形接続・特殊型
– 本活用(〇/ず/ず/ぬ/ね/〇)
– 補助活用(助動詞)
(ざら/ざり/〇/ざる/ざれ/ざれ)

天の橋立
固有名詞

 

(活用語)
大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも 天の橋立

[動詞]
・行く
・見る

[形容詞]
・遠し

[助動詞]
・・「ず」打消

 


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61. いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな / 伊勢大輔

61. いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな / 伊勢大輔

(読み)
いにしえの ならのみやこの やえざくら きょうここのえに においぬるかな(いせのたいふ)

(訳)
かつて栄えた奈良の都の八重桜が、今日はこの九重の宮中で美しく咲きほこっていますよ。

(語句)
・いにしへ・・はるか昔
・九重(ここのへ)・・宮中のこと。中国で城が九つの門に囲われていたことから。
・にほひぬるかな・・美しく咲きほこっていることよ。「にほふ」は「美しく咲く」の意味。

(解説)
・奈良から京都の宮中に八重桜を贈られたときに詠んだ歌。

(掛詞)
きょう
・今日
・京

(対比)
・「いにしえ」と「今日」
・「奈良」と「京都」
・「八重」と「九重(宮中)」


(作者)
伊勢大輔(いせのたいふ)。

伊勢の祭主、大中臣祐親(おおなかとみのすけちか)の娘。大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)(49)の孫。

中宮彰子に仕える。紫式部(57)、和泉式部(56)らと交流があった。


(品詞)
いにしへ
名詞


助詞・格助詞

奈良
固有名詞


助詞・格助詞


名詞


助詞・格助詞

八重桜
名詞

けふ
名詞

九重
名詞


助詞・格助詞

にほひ
動詞「にほふ」ハ四(連用)
(は//ふ/ふ/へ/へ)

ぬる
助動詞「ぬ」完了(連体)
連用形接続・ナ変型
(な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね)

かな
助詞・終助詞

 

(活用語)
いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に にほひ ぬるかな

[動詞]
・にほふ

[助動詞]
ぬる・・「ぬ」完了


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62. 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ / 清少納言

(「逢坂の関」石碑)

62. 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ / 清少納言

(読み)
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにおうさかの せきはゆるさじ(せいしょうなごん)

(訳)
深夜ににわとりの鳴き声をして騙そうとしても、函谷関はともかく、逢坂の関は許しませんよ。ですから私に会いにくるのも許しません。

(語句)
・夜をこめて・・夜がまだ明けないうちに。「こむ」は中にしまう、つつみこむの意。

・とりのそらね・・にわとりの鳴きまね

・よに~じ・・決して~ない。

(掛詞)
・逢坂(あふさか)
・会ふ

(解説)
・中国の函谷関(かんこくかん)の孟嘗君の話を取り入れた。

・先に帰った藤原行成からのおわびの手紙に対して返した歌。


(作者)
清少納言(せいしょうなごん)。(966頃~1027頃)

『枕草子』の作者。一条天皇の中宮、定子(ていし)に仕えた。

曾祖父は清原深養父(36「夏の夜は」)、父は清原元輔(42「契りきな」)。


(品詞)


名詞


助詞・格助詞

こめ
動詞「こめる」マ下二(連用)
(め//む/むる/むれ/めよ)


助詞・接続助詞


名詞


助詞・格助詞

そら音
名詞


助詞・係助詞

はかる
動詞「はかる」ラ四(終止)
(ら/り//る/れ/れ)

とも
助詞・接続助詞(逆接)

よに
副詞

逢坂の関
(掛詞)
(1)逢坂・・固有名詞
(2)逢ふ・・動詞「逢ふ」ハ四
(は/ひ/ふ/ふ/へ/へ)


助詞・係助詞

ゆるさ
動詞「ゆるす」サ四(未然)
/し/す/す/せ/せ)


助動詞「じ」打消意志(終止)
未然形接続・特殊型
(〇/〇//じ/じ/〇)
「~しない」

 

(活用語)

夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関は許さ

[動詞]
・こめる
・はかる

[助動詞]
・・「じ」打消意志

 

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